スマホで写真を撮る楽しさを知ったみなさま、一眼レフデビューおめでとうございます。
さぁカメラについて勉強しようとたくさん本を読んだところかと思いますが
ISOって何?
絞りっ何?
シャッタースピードって何?
という疑問だけを残しカメラを置いたのではないでしょうか。
昔の私と同じで…。
心が折れる前に、昨日今日カメラを買った人がまず最初にざっくり覚えることを過去の自分に向ける気持ちで書き連ねていこうと思います。
標準レンズ装着したカメラを片手に練習しながら記事を読み進めていただけたらと思います。
マニュアル設定を覚えるためのポイント
何をどう撮りたいかを明確にする
写真を撮るにあたっていつも意識すべきことがあります。
何をどう撮りたいかです。
それを実現させるために、カメラの設定というものがあるのです。
これから写真を覚えたい人がこの意識をちゃんと持つことで、上達も早くなると思います。
例えば、湖に映り込んだ風景を鏡のように撮りたいとか
玉ボケキラッキラのイルミネーションを背景にした美女を撮りたいとか
星の軌道がグルっとなったのを撮りたいとか
こういったイメージから、各設定の優先順位を決めていくのです。
POINT:設定の優先順位を決める
ダイヤルをM(マニュアル)にしよう
ダイヤルにPとかAVとか色々あると思うのですが、まずMに合わせてください。
Mはマニュアルモードといって、絞りやシャッタースピード、ISOを自分で設定できるモードです。
いきなり全部自分で設定するなんてこわいかもしれませんが、ざっくりでいいのでこれがわかるとダイヤルのAvモードやTvモードの意味も何となくわかってくるかと思います。
絞りやシャッタースピードがどんなものかを理解するためにまず触ってみましょう!
ISO(イソ)とは

※画像に深い意味はありません
ざっくり言うと
- 明るさを調整したい
- 数値を上げれば上げるほどノイズがでてくる
数値が小さいと暗くなる
数値が大きいと明るくなる
ISOの数値を動かしてみてください。
数値が小さければ暗くなって、数値が大きくなると明るくなりますね。

ISO100

ISO400
この長崎県五島列島のゆるキャラつばきねこちゃんの写真は、ISO以外は同じ設定で撮りました。
ISOを上げたり下げたりしたら明るさが変わると言うことがおわかりいただけたでしょうか。
ISOを上げすぎるとノイズが出る
一概には言えないのですが、ISO1600ぐらいになるとノイズが目立ちはじめます。
ノイズというのはこのグジャグジャと粗くなったものをいいます。

砂目のように見える現象がノイズ
ノイズはない方がいいので、ISOはでたらめに上げないようにしましょう。
「じゃあいつもどのくらいにしておけばいいの?」
と思うかもしれません。
残念ながら「これにしとけばいい」という答えはありません。
環境によって、カメラによって、レンズによって違うからです。
ほんとうにあくまで目安でしかありませんが
晴れた日の日中だとISO100~400、夜だとISO800~1600という数値を目安にしてみてはいかがでしょうか。
この1600というのは、冒頭に記載したノイズが目立ちはじめる数値です。
「私のカメラ1600でもノイズないよ!」という場合は上げてもいいかもしれませんが
あくまでそこは最終兵器と思っていた方が無難かもしれません。
後々トリミングして引き延ばしたりした時に、やっぱりあれてしまってたりするんです。
そうなってしまうと一人で絶望する羽目になります。
POINT:明るさの調整
AV、F値(絞り)とは

※画像に深い意味はありません
ざっくり言うと
- 背景をボカすかボカさないか
数値を小さくするとボケが大きくなる
数値を大きくするとボケが少なくなる
F3.5とかF11とか。
絞りの最小数値は装着しているレンズによって変わります。
呼び方はF値(エフチ)、絞り。
【F値の呼び方の例】
A子「絞りは何になさいました?」
B子「5にいたしましたわ」
A子「私はF8(エフハチ)にしてみようかしら」
B子「あら、良き。」
(A子B子、笑い合う)
数値を小さくすると背景がボケます。
手前にいる人物をくっきりさせて、背景をボカしたい時はF値を小さくするとそうなります。
そして、F値を小さくすると全体が明るくなるので、もし明るくなり過ぎた時は先ほどのISOの数値を小さくしてみましょう。
以下おじさんの写真で比較してみます。
(どうでもいいけどノイズの説明のおじさんと同じおじさんです)

絞りF8

絞りF2.8

背景のボケ方比較
背景のボケと明るさの比較がおわかりいただけただろうか。
ただ、被写体とカメラの距離が遠ければF値を小さくしようがボケが大きくでません。
焦点距離というのがでてくるのですが、なんとなく聞く程度でいいので、少しだけお話させてください。
再びおじさんに登場してもらいましょう。

近くにいるおじさんにピントを合わせた写真

遠くに行ったおじさんにピントを合わせた写真
どちらも同じ設定で撮った写真です。
カメラマンの私の位置は変えずに、近づいたり遠のいたりするおじさんにピントを合わせました。

ピントの位置で背景のボケ方が変わる比較
ここで私がお伝えしたいことは、カメラマンが同じ位置でカメラを同じ設定にしても、背景のボケ方はピントを合わせた場所に準じて変わると言うこと。
背景をボカしたい時は、F値を小さくして被写体とカメラの距離を近づけると覚えておくといいかもしれません。
それと、もしレンズにズーム機能があるなら望遠側(mm数値が大きい方)にしてみる。
F値を小さくしようと、被写体との距離が遠ければボケが出にくくなるということがおわかりいただけましたか?
なので、それを利用して全ピン(全体にピントを合わせる)で撮りたい時に被写体との距離が遠ければF値は小さいままでも大丈夫です。
F値が小さいと明るさが出るので、ISOも数値を上げずにすみますよね。
ちょっとわかりづらかったかもしれませんが、はじめのうちは基本的に全ピンで撮る時はF値を大きくすると覚えておくといいかもしれません。
私がカメラを始めたばかりの頃、F値の設定だけで背景が思うように出せなくて頭を抱えたことがあったので、焦点距離というものがあるということをここで併せてお伝えしておきたかったのです。
昨日今日にカメラを買ったばかりの段階で焦点距離を詳しく理解しようとすると頭がパンクするので、近いか遠いかを意識するだけにとどめておいた方がいいかと思います。
あくまで目安ですが、背景ボカす時は~F5、全ピン風景写真はF8~F11で撮ると覚えておくといいかもしれません。
POINT:背景のボケ
シャッタースピードとは

※画像に深い意味はありません
ざっくり言うと
- 被写体に動きはあるか?
表記の意味
1/60→1秒の1/60
参考
1/60から1/250に変更すると動いている被写体を、よりブレ無く切り取ることができる
15"→15秒
参考
15"から30"に変更すると動いている被写体の軌道が、より長く残る
参考
参考
シャッタースピードは「どのくらいの時間シャッターを開いておくか」という設定。
よくわからんかもしれませんが、このシャッタースピードの設定をどうするかで動いている被写体の捉え方が変わります。
目安として、手持ちで撮る場合は1/60より長くなると手ブレを起こしやすくなりがちです。
また、シャッタースピードが短くなればなるほど暗くなります。
写真をもとに解説していきましょう。

シャッタースピード1/5秒

シャッタースピード4秒
おじさんがエモい背景の前でライトを振り回してます。
この2枚の写真はシャッタースピードだけを変えて、他の設定は変えずに撮った写真です。
おわかりいただけるだろうか。
1/5秒の方はライトの軌道が2周程度で、しかも暗くておじさんが見えない。
4秒の方はライトの軌道はもうグルグル描かれています。
4秒の間おじさんがライトをひたすら振り回したことがよくわかります。
しかもライトの弧の中でおじさんの手の残像も見えるくらい明るくなってます。
この後おじさんが写輪眼を開眼させたかは、言うまでもない。

シャッタースピード1/1000秒

シャッタースピード1/20秒
また別の写真でも比較してみます。
こちらも他設定は同じで、シャッタースピードのみ変更したものです。
1/1000秒の方は、跳ねた水もしっかり捉えています。
1/20秒の方は、水の流れが残像を残しています。
そして仕上がりが恥ずかしいぐらい明るくなっています。
一応言わせてください。
これはシャッタースピードを理解して欲しくて撮ったので、「こいつの実力この程度」と笑わないでやってくれませんか。苦しくて眠れない夜になりそうです。
通常でしたらこの恥ずかしい川の流れの写真のように、シャッタースピードで全体が明るくなりすぎたら、F値やISOで調整していくのです。
さぁ
私が恥を忍んで提示した写真の代償として、そろそろなんとなくシャッタースピードがどんなものかおわかりいただけただろうか。
シャッタースピードの設定で写真の雰囲気がかなり変わってくるので、撮りたいものにあわせていろいろトライしてみてください。
色々詰め込むと頭がとっちらかって写真が嫌いになるので、今回のところはほんとに初歩の概念だけにしておきます。
POINT:被写体が動いているか
初心者によくある失敗例
まだ感覚がつかめていないうちは失敗だらけで当たり前です。
よくある失敗例の一つに残像しか撮れてないということがよくあります。
これは先ほど勉強したシャッタースピードが遅かったために起きた現象です。

【失敗】シャッタースピード1/30秒
ライトの軌道とか、残像を活かした作品なら良いのですが、今回の写真では意図していません。
シャッタースピード1/30秒で残像になったので、もっと高速でシャッターを切る必要があることがわかりますね。

シャッタースピード1/400秒
シャッタースピードを高速にしたおかげで、走る足下をきちんと捉えることができました。御察しの通り、走っているのも同じおじさんです。
作例をもとに解説
ここまで読んで少しイメージ持っていただけたでしょうか?
参考までに私がどういう観点で写真を撮ったかお伝えします。

【作例】夜景と水面
この写真は水面に反射した風景を撮ることを第一優先としました。
水面に映す時は波があるときれいに映らないので、シャッタースピードを長めにして波の動きを目立たないようにと考えました。
あと、この日は川の流れが激しくなく、水面に波が少なかったのでとても撮りやすかったです。
ということで、シャッタースピードの設定は1秒。
次に奥行きのある街並みを全ピンで撮りたかったので、F値の数値は大きくしました。
ただ、この日は満月で明るかったのと、街灯もあったのと、長めのシャッタースピードの影響で明るくなっていました。
なので一旦ISOをいちばん暗い100にして、F値でさらに暗さを出すためF22にしました。
こんな思考で設定値を導いてます。
「イメージを明確にして設定の優先順位を決める」という意味が少しわかってもらえたでしょうか。
おさらい
設定の優先順位を決める
・ボカすかボカさないか→F値
・被写体が動いているか動いていないか→シャッタースピード
・明るいか暗いか→ISO
また、上記を踏まえた上でダイヤルのAv優先モードやTv優先モードを使ってみると、一眼レフカメラの使い方が少し掴めてくるかもしれません。
何事においても新しいことを覚える時はトライアンドエラーの繰り返しだと思うので、探り探り試していってみるといいかもしれません。
いかがだったでしょうか。
みなさまの作品作りの参考になると幸いです。
ファイトー。